10月25日の日本経済新聞で、日本の名目GDPが2023年に人口7割程度のドイツを下回り、4位に転落する見通しとの発表がありました。2010年に日本を抜いた中国は、日本の4.2倍になる見込みだそうです。更には1人当たりのGDPでは日本は世界34位、韓国に肉薄されているとのことです。
社会保障費・少子高齢化の拡大、GDP(国際競争力)の低下、主要国で下位に低迷する女性の社会進出や労働生産性といった課題もあります。国内の市場が縮小し、消費者ニーズが変化して、レンタルやサブスクによるコスパ・タイパの追求により、若い人ほど高額品にお金を使わない時代になりました。合理的ともいえますが、これからの日本の将来を悲観的に感じている人は多いのではないかと思います。
私は20歳代後半に社会人としてバブル期を経験していますが、当時は「今日より将来はもっと良くなる」といった風潮があったように記憶しています。30年前に比較すると現在の日本は元気が無いようにも思いますが、成長期を経験したことの無い世代の人達が保守的になるのは、ある意味必然的といえるのではないでしょうか?
しかしながら、海外から見た日本は多少違うように感じます。今年6月にアメリカの投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社が、日本の5大商社への持株比率を引き上げることを明らかにしました。バフェット氏は投資にあたり、「ビジネスや人々を探している」と発言をしており、投資にあたり日本の「人材」を要素として考えているように思います。12年前に発生した東日本大震災の際の日本人の行動、公共性・秩序や冷静さは、世界から称賛されました。現在の成長産業と位置付けているインバウンドについて、訪日外国人のアンケートでは、「親切・礼儀正しい」や「街がきれい」「治安が良い」といった日本人の性格や言動に対する評価が高いことが判ります。
日本は台風や地震の自然災害が多く、多大な犠牲を払いながら乗り越えて、戦後は結束して焼野原から驚異的な復興を果たしてきました。多くの企業が、バブル崩壊・リーマンショック・コロナ禍といった困難を乗り越えてきました。日本リック株式会社もそれらを乗り越え今期は第39期、来年4月に設立40年の節目を迎えます。11月11日には40周年記念式典を開催します。日本は老舗企業の数が世界で一番多いとされていて、要因として人との繋がりを重視する国民性にあるといわれています。例えば高額品などは、どんな良いモノであっても信頼のおける企業や人間からでないと買わない、長い目で付き合いを続けていくことが長期に渡り会社が続く秘訣といわれています。日本で人材をキーワードに事業を展開する企業であることに誇りを持ち、40周年を更なる一致団結の機会にしたいと思っています。
日本リック株式会社
代表取締役 日高一隆